ククリ品質対決
刀身編:
ククリの刀身はバネ鋼でできていますが、これにも色々とグレードがあります。まず一番低いグレードを使用しているククリは一般人の日常生活用のククリで、軍用ククリでも新兵に支給されるククリはこのグレードです。新兵はこれで枝を払い、穴を掘り、藪を刈りますが刃が柔らかいためすぐに鈍ってしまいます。一般的なお土産用のククリに使用されている鋼材はこのグレードと思われます。
軍隊での階級が上がると中級グレードのククリが支給され、士官用ククリともなると高価な最高級グレードの鋼材が使われます。当店のククリで使用している鋼材もこの最高級の鋼材です。ちなみに最高級の鋼材で作られたククリの刃は新兵用のククリの刃を削り取ることができます(店長談:この目で見ました、鉄で鉄が削れるんです!)。素材の強靭性はグレードによってここまで違うのです。
グリップ編:
グリップで差がつきやすい点は加工精度です。土産物屋に並んでいるククリのグリップは全般的に作りが雑です。たとえば描線が歪んでいたり小さな傷があったりグリップ全体が微妙に左右に曲がっていることもあります。当店のククリは加工精度の基準を設けて工房の担当者に指導を行っています。また出来上がったククリは工房からいったん当店の現地スタッフが受け取り、品質チェックを行った上で不良品は返品し、合格品を日本へ発送するシステムをとっております(店長談:ネパール人はおおらかな性格な為か、チェックは欠かせません。そのくせ寺院に収める細工物はきわめて精巧です、これもヒンドゥー教国の国民性でしょうか?)。合格品は日本でさらに店長の最終チェックを受け、皆様のもとへと届けられます。
土産物屋の品質についてはここも参照してください。
彫金編:
当店の儀礼用ククリの鞘は銀の透かし彫りが施されています。土産物屋にも銀製透かし彫りのククリが大量に並んでいますが、よく見ると皆まったく同じデザインです。それもそのはずこれらはプレス加工の大量生産品だからです。プレス加工品は細部がのっぺりしていて精細さがありません。
一方当店の透かし彫りは彫金の腕に定評のあるネワール族の職人がハンドメイドで作った芸術品で、細部まで非常に精巧に作られています。その分製作期間も長くなり一本製作するのにまる2週間を費やしています。
下の画像は当店のククリ(左)と土産物用のククリ(右)の同じ倍率の拡大写真です。品質の差が歴然としています。
品質対決
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