ヒマラヤの磐座(いわくら)
2020年1月1日以前の店長日記でも紹介したことがありますが、ネパールでは自然にできた大きな岩石や洞窟などが神様または神様の宿る場所(依り代)として信仰される事があります。
日本の神道でも磐座(いわくら)といって昔から巨石が信仰されておりますし、神社などにはしめ縄が張られた大きな石があったりしますので、同じような心情なのだろうと思います。
なにしろネパールのヒンドゥー教も日本の神道も万単位の神様が存在する多神教の宗教ですので、その辺のちょっとした岩石にだって神様が宿っていて不思議ではありません。
ただし、いくらネパールの神様の数が多いとはいえ岩が依り代になるためにはそれなりの条件があるようです。店長の勝手な印象ですが、
①大きい事
②他とは違う特別な色や形をしている事
③何らかのストーリーがある事
などが条件ではないかと思います。
ヘランブーと言われる地方のヒマラヤ山中を歩いていてこんな巨石に出会いました。しめ縄のようなものが巻いてあるところまで日本の磐座そっくりです。下の写真をご覧ください。
これは条件①は満たしていますし、表面に変な模様が浮き出ているので②もクリアしています。ただ残念なことに周囲に誰もいなかったため、③については分からずじまいでした。いったいどの神様が祀られていたのか?何となく猿の顔っぽいので猿神ハヌマーンかもしれません。
十分に大きいので条件①はクリアです。②③についてはこれも付近に人気がなかったので分かりませんでした。なにやら文字が彫られていたので店長がチベット文字を読めたらもう少し何か分かったのかもしれません。
下の写真はヘランブーにあるメラムチガオンという村の高台にあるの岩窟寺院です。
これは奥の岩の下が洞窟になっている岩窟寺院です。この辺りは数年前のネパール大地震で相当に揺れてほとんどの家屋が倒壊した地域ですが、岩窟寺院だけはビクともしませんでした。こうした神秘性も今後条件③のストーリーに加わっていくのでしょう。
ちなみに店長の出身地北海道の神社は明治の開拓期に建立されたものが多いので、境内にある巨石には天地開闢や国造りに絡んだストーリーがある可能性が高いと思われます。
日本でもネパールでも、珍しい形や色の大岩があればそこから何らかの力を感じてしまうのが人間の心というものなのでしょう。
店長から一言
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