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バネ鋼

世界で最も美しい谷 ≪ランタン谷≫ その1

2025年3月1日

  谷と言ったら何を思い浮かべるでしょうか。 ムーミン谷? 風の谷のナウシカ? グランドキャニオン? 今回はムーミン谷のように穏やかで、風の谷のように緑にあふれ、グランドキャニオンのように壮大な、ヒマラヤ山脈の奥地に広がる美しい谷をご紹介します。その名をランタン谷といいます。

  1938年にイギリスのエベレスト遠征隊の隊長を務めたビル・ティルマンはランタン谷を『世界で最も美しい谷の一つ』と評しています。
  店長も長いこと行きたかったのですが、さあ!と思ったときにコロナが流行り出して機会を逃してしまいました。それから待つこと5年、いよいよのランタン谷なのです。

  出発したのは雨季も終わりがけの9月でした。まずは前回の店長日記で紹介したマチャポカリの野菜市場からバスに乗ります。目的地はランタン山群の入り口の町であるシャブルベシです。
  バスは結構大型のバスで、7:40の始発の時点で既に席は7割がた埋まっています。途中で人がどんどん乗り込んできてピーク時には乗車率150%。道が悪い上にあまりにもタイヤに負担がかかりすぎたためなのか、途中の休憩所でタイヤを見ると湯気が上がっていました。大丈夫なのか!? 






  途中ランタン国立公園の入域料3,000ルピーを払い、セキュリティチェックポストで荷物を調べられて、結局到着まで9時間半かかりました。直線距離だとほんの50Kmほどなのですがアップダウンの激しい曲がりくねった悪路なので仕方ありません。これでも一昔前に比べると便利になった方です。

  さてシャブルベシに到着した時点でもう薄暗くなっていましたので、店長は当然この町で一泊するものだと思い込んでいました。しかしガイドのチャイテさんは構わず山道を歩きだします。
  そうです、ここはガイド必須の国立公園なのでいつものように一人でふらふらトレッキングではないのです。このチャイテさんは私が日本を出る前に当店のネパール側のスタッフがあらかじめ用意してくれたガイドで、とても良い人なのですが、いかんせん英語がほとんど話せません。

  どうやらスタッフは私のネパール語力を過大評価しているようです。しかし実際は恥ずかしながら片言がやっとの2歳児以下なのです。一見ちゃんと会話しているように見えても勢いとはったりでごまかしているにすぎず、相手の言っていることは半分も分かっていません。
  いまさらどうしようもありませんが山中で緊急事態でも起こったらと若干不安があります。まあ、おかげでトレッキング中にネパール語の勉強がとてもはかどりました。
  話を元に戻します。チャイテさんは懇意にしている宿があるのでそこに行くようです。

店長 「カティ タラ ツァ?(どのくらい遠いのですか?)」

チャイテさん 「アリアリ(ほんのちょっとだよ)」

  ネパール人のちょっとは信用できません。案の定、小雨の降るなか日暮れも過ぎた暗い道を1時間歩かされました。で、宿に着いてみると、営業してませんでした。まあ今は雨期の終わりがけのシーズンオフなので営業していなくても不思議ではありません。が、事前に連絡くらい入れといて欲しいです、チャイテさん…。
 ここから引き返す気にはなれなかったので、急遽この宿の息子さんの自室を空けてもらって、生活感タップリの部屋に一泊することになりました。
 チャイテさんの名誉のために書いておくと、営業していないことを除けば宿の人も親切で食事もおいしい良い宿でした。庭には防犯用のチベット犬もいますので侵入者対策もバッチリです。まあ客が泊まるはずがない自宅の方に泊ったので店長も侵入者枠に入れられたらしく、盛大に吠えられましたが。

ランタン谷
                     チベット犬 目つきがヤバイ

  翌朝、朝食はチベタンブレッド(たっぷりの油で作る、半分揚げたようなホットケーキ風のパン)にハチミツを塗って食べました。市販品ではなくこの辺で採れたローカルハチミツだと言っていました。
  7時半に宿を出発して歩き始めて2時間ほどで、ハイありましたローカルハチの巣が。

ランタン谷
                       落ちたら助かりませんね

ランタン谷

  凄い断崖絶壁のちょっとオーバーハングになった雨が当たらなさそうな所にくっついている丸い板状のものが巣です。どれほどの危険を冒してあれを採取するのかと思うと、たっぷりハチミツを塗ってしまったことがなんだか申し訳なくなります。

次回へ続く