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バネ鋼

ジュカが来る

2023年12月1日

  ジュカって何だかご存じでしょうか?ネパール語でヒル(蛭)のことです。血を吸わないコウガイビルは別ですが、血を吸うタイプのヒルなんて都会で暮らしていればまず見たこともないでしょうし、特定の条件下でしか生きられないので田舎で暮らしていたって普通はなかなかお目にかかれません。でもそれは日本での話です。

  ネパールでもさすがに都市部にはめったにおりません。しかし山間部では、特にヒマラヤ山中にはヒルがいくらでもおります。それはもうたくさんおります。なぜならネパールには雨季と乾季があり、雨季にはほとんど毎日のように雨が降るのでヒルが好むジメジメした環境が生まれやすいからです。しかも野生動物も多いため血を吸う機会もまた多いのでしょう。
  一方、乾季になると姿を消します。短めのミミズのような見た目通り、乾燥した環境では生きられないからです。といっても死ぬわけではありません。乾季には落ち葉の下で休眠するだけで、数年は生きると言われています。

  店長がトレッキングするのは主に雨季と乾季の狭間の季節ですので、そこそこヒルに出会います。こういう画像が大丈夫な方は下の動画を再生してみてください。

                                 雨合羽に付いていたヒル

   見た目はミミズですがその動きはシャクトリ虫のようで、かなり速く移動します。1分も目を離せば服の中に入り込まれます。しかも手で払っても全然落ちません。触りたくないけどつまんで引っ張るしかありません。
  また速いだけではなく体の端にある吸盤でくっついた場所を足場にして、人の気配がする方に向かってかなり先まで体を伸ばすことができます。
  下の動画をご覧ください。

                                                壁に張り付いていたヒル

  こんなしぶといヒルですが、実はヒマラヤ山中ならどこにでもいるというわけではありません。草地や森の中にはいても、むき出しの乾いた地面にはまずいません。またヒルがいない安全な場所としては村の中があげられます。村内では1年を通してあまりヒルを見ることはありません。人が暮らす村内では見つけ次第村人に抹殺されることに加えて、そもそも樹木が少ないうえに落ち葉は掃き集められて家畜の糞と混ぜて堆肥になりますから休眠することができないのです。
  もう一つは標高が高い地域です。標高が3,500mくらいになるとほとんど見なくなります。原因はたぶん大型の野生動物が少なくなるためと、標高が高すぎて木が育たない森林限界にあると思います。吸血できる動物や休眠する場所がなければ生きていけないからです。

なのでヒルに出会わずにトレッキングするコツは、
 ・乾季を選ぶ
 ・一気に標高を上げてしまい、中途半端に低い地域にとどまらない。
 ・低い地域に宿泊する時はあまり草地や森の中をうろつかず、村内にいる。
という感じでしょうか。

  できれば楽しくトレッキングをしたいものです。上記の条件から外れてトレッキングを計画されている方は文明の利器をご持参ください。日本には殺ヒルスプレーも忌避剤も売っていますので。



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