ネパール軍事博物館 その1
2014年11月1日ネパールの首都カトマンズの西には国立博物館があります。その国立博物館の道を挟んではす向かいにあるのがネパール軍事博物館です。
入り口の一段高くなったところには歩哨が立っていて一見軍事基地にしか見えませんが、右側に小さくMilitaryMuseum(軍事博物館)と看板が出ています。
中に入ると受付付近には軍人がたむろしていますので「タパインコ フォト ケスナ サクツゥ?(写真撮っていいですか?)」と聞いてみましょう。多分非番か入り口の歩哨の交代要員なのかもしれません、ニコニコしながら撮らせてくれます。
展示品は軍服や装備品のほか歴史的な戦闘の絵画や写真などが主で、ネパールの軍事史に興味がない人にはあまり面白くないかもしれません。下の写真は16世紀半ばのリグリグ城の戦いといわれる歴史上の重要な戦闘シーンです。
この当時すでに銃が普及していたはずなのですが、最後の決着はククリを使った白兵戦でつける点は現代まで変わっていません。
下の写真はこの当時の軍服です。ククリのサイズは当店のノーマルタイプの軍用ククリと同じか若干大きい程度です。
下の写真は19世紀のイギリスの東インド会社とネパール軍との戦い(グルカ戦争)の1シーンです。ククリを持ったネパール人がやけに悪人面です。持っているククリはちょうど当店の白兵戦用の大型ククリと同じくらいのサイズでしょう。
数年前まで続いたネパール内戦でも軍事作戦の決着はククリを使った白兵戦でつくことが多かったそうです。これはネパール軍の装備が前近代的であるせいではなく、ちゃんとした合理的な理由があります。
先の内戦では山岳部や南部のジャングル地帯が主戦場になりました。そこでは鬱蒼とした森林や前が見通せない藪、また複雑に入り組んだ地形のため遠距離から 敵を発見することが困難で、敵との遭遇イコール白兵戦という図式が成り立ちます。しかもヒマラヤの山奥に重火器を運搬することは難しく、補給線も貧弱にな ります。そうなると弾が切れると使いものにならず藪に引っかかる銃剣付き小銃より、取り回しが楽でどんなに使っても減らないククリはとても便利な武器だったのです。
次回はネパール軍事博物館の展示物の中から装備品をピックアップしてお届けします。
店長から一言
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