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バネ鋼

ククリは日用品である

解体1
 ククリといえばグルカ兵を始めとする軍人や警察が使う武器だと思いがちです。もちろん軍や警察の必須アイテムではありますが、ネパールではむしろご家庭の日用品として使われています。まさに一家に一本です。
 上はお休みの日にヤギをつぶしている写真ですが、おじさんが手にしているのは刃渡り25cmほどのククリです。これはけっして特別な光景ではなく、その辺の道端の風景です。


解体5
 居酒屋の床でもお客がお酒を飲んでいる脇で平然とヤギを解体しています。店のオヤジが手にしているのもククリです。峰の厚みが1.5cm近くあります。ちなみにヤギは皮を剥がずに皮ごと毛を焼いたものの方がおいしいと地元の人は言います。ヤギ革は売れるので焼くのは贅沢な食べ方ですが、煮込むと皮からゼラチン質が溶け出してうまいのです。

解体3
 そして居酒屋のテーブルの上には解体中のヤギが雑然と放置されています。運良くこんなシーンに遭遇したときは、指をさして注文すれば好きな部分を料理してくれます。ネパールではヤギは肉も骨も内臓もすべて利用しつくします。脳さえも頭蓋骨をカチ割って食べます。えっ? 狂牛病は大丈夫かって? 心配御無用です、肉骨粉どころか人工的な飼料などどこにもありません、その辺の雑草を100%食べて育っていますから。

解体4
 台所用品として頭蓋骨カチ割り用の手斧を常備している家庭も少なくありません。上はあるご家庭の包丁一式です。ククリはありませんが手斧がしっかりとあります。
 
チベット人
 都会を離れて山奥に行くと腹帯にククリをさしたチベット系の男性によく会います。ここではククリは調理器具としてだけではなく、薪割り用の鉈であり、また護身用でもあります。なにしろまだ狼や黒熊が出るお土地柄ですから。

 どうでしょうか? ネパールではククリは単なる武器ではなく、庶民の日用品としての地位が確立されているのです。街中で持ち歩いても銃はともかくククリは何のお咎めもありません。
 鞘やグリップが壊れても村の鍛冶屋が修理してくれますし、ブレード部分は無類に頑丈ですので何代にも渡って使われ続けているククリも珍しくありません。こんな家宝のような使われ方をされればククリもククリ冥利に尽きるのではないでしょうか。

 

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