ブレード/グリップ一体型のフルタングシースナイフ ”アンナプルナ”
バネ鋼を鍛造してブレードとグリップが一体化した堅牢な作りのフルタングシースナイフを製作しました。グリップは水濡れしやすいブレードに近い前端部が耐水性抜群のチーク材のものと、耐朽性の高いシャクナゲ芯材のものの2種類あります(下の写真はシャクナゲ芯材のものです。チーク材だと前端部の色がもう少し薄くなります。)
グリップ後端部には通常のシャクナゲ材(シャクナゲ辺材)を使用しています。折れず曲がらず強靭なバネ鋼の1枚作りなので、その気になれば柄頭でクルミを割ったり釘を打つことさえできます。
オシャレな外観に似合わず非常にハードな使用に耐える一本です。金属細工に秀でていることで名高いネワール族の職人が伝統の技をこめて一本一本鍛造しました。
全長:185mm
刃長(刃がついている部分):80mm
重量:鞘あり約160g、鞘なし約130g
鞘は滑らかな水牛革製で、ナイフに合わせたシンプルなデザインです。ベルトに付けた時に柄頭がちょうどベルトの3cmほど上に出る形になります。取り出しやすく邪魔にならずにかつ自然に抜け落ちることのない絶妙な位置です。
<グリップ素材の説明>
チーク材は重硬で、かつては銃弾に当たっても裂けない弾力性から軍船の船材などにも使われてきました。また樹脂分が多いため耐水性抜群で腐りにくく年月を重ねるほどに風合い(いわゆるチーク色)が出ます。野球で使われるロージンパック(松ヤニが主成分)同様に、表面に僅かにしみ出る天然の樹脂成分のため手に吸い付くようにフィットし、手が濡れていても滑りにくく、握ったときのホールド感がとてもよい材です。釣りなど水場での使用が多い方にお勧めのグリップです
シャクナゲ材は、
シャクナゲの成長が非常に遅いため硬く緻密な材質ですが、何と言っても優れているのはその粘り強さです。通常、硬い材に無理な力を加えると割れが生じますが、シャクナゲ材は割れずに変形して耐える性質があります。色は象牙を思わせるきめの細かい美しい白色です。
シャクナゲ芯材は、シャクナゲの古木の中心にある褐色の部分のことです。成長が遅いシャクナゲのさらに中心にしかないため入手が非常な困難な材です。この材の特徴はシャクナゲ材の粘り強さに耐朽性と耐水性が加わった点です。芯材は劣悪な環境でも腐ることなく長期間にわたって品質を維持します。
しかしシャクナゲは成長が遅いためなかなか大木には育たず、日本ではまずお目にかかれない希少な材です。ネパールでは地元ヒマラヤ山脈にシャクナゲが自生すると聞き、八方手を尽くして何とか入手に成功!グリップを特注いたしました。他店ではまず手に入らない店長オススメの幻の一本!ちなみにネパールの国の花はシャクナゲですので実にネパールらしいグリップと言えましょう