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バネ鋼

豪快!ポカリで魚取り

2021年9月1日

  ネパールにはポカリと呼ばれる池があちこちにあります。発音は某イオン飲料とは違って最後の「リ」にアクセントがあります。
  形は四角形で周囲は白い漆喰や石材で固められて地面より一段高くなっており、ちょうど競泳のプールのようです。いきなり深くなるのではなく階段状に深くなっていくところは幼児用プールに似ています。大きさは、小さいものでは25mプール、大きいものでは一辺が100mくらいのものもあります。

ポカリ

  店長にはポカリの用途がよく分かりません。今まで単なる池としてしか認識していませんでしたので特に人に尋ねた事もありません。しかし単なる池なら下の写真のように形は丸かったり不定形だったりするはずです。わざわざ四角形にして周囲をプールサイドのように固めた池がその辺にたくさんあるということは共通の目的がありそうです。

ポカリ

  農業用のため池にしては出水路がありませんし泳いでいる人はめったに見ないので本物のプールとも思えません。池の中央に神様が祭ってあるポカリは宗教施設の一種なのでしょうが、宗教色のない単なる四角い池の場合がほとんどです。
  結局、飲料水や洗濯や沐浴など日用の水源として昔は利用されていたが現在はほとんど利用されていない、というところではなかろうかと店長は推測しています。なぜならこの目的で人が利用するなら当然形を整えたうえで歩きやすいプールサイドが必要になるからです。
  またこの推測が正しいなら新規に建設中のポカリというものを一度も見たことがないのも説明が付きます。

  さて、そのポカリには魚がたくさん住み着いていることがあります。そしてポカリによっては年に1~2度漁が行われるのです(放置されているポカリも多いですが...)。こうなるとポカリ=養魚池説も考えられます。ただ養魚池だと四角く整えたりプールサイドを作る必要はありませんのでちょっと弱いです。
  この漁に居合わせた人はラッキーです、なぜならその日は魚料理がたっぷり食べられる日になるからです。海を持たないヒマラヤの内陸国であるネパールでは首都を除けば大きな川や湖の近くの村でない限りおいしい魚料理に出会う機会はなかなかありません。

  下の写真はネパール南部の平野部にある町のポカリで、かなり大きめの部類です。店長が通りかかった時はまさに漁の真っ最中でした。

ポカリ

ポカリ

ポカリ

  漁の方法は釣りでも罠でもありません。ポカリの端で壁沿いに網を渡してそのままポカリの中に人が入って反対側の端まで泳いで網を引いていくという豪快かつ一網打尽の漁法でした。壁と網の間に隙間ができると魚に逃げられてしまうので、そこは人力で隙間ができないように押さえつつ慎重に進みます。
  大イベントであるせいか子供たちがワンサカと集まってきてお祭りのようです。どうやら子供たちのお目当ては取り放題の小魚のようです。



  小魚は網の目をすり抜けるものが多いため乱獲の心配はありません。大物は網を飛び越えた勇者を除いてすべてポカリの一か所に押し込められます。押し込められたら集まった人たちの手で選別が始まります。
  やはりおいしい魚とそうではない魚がいるようで、大きくてもポイポイと網の外側の池に戻されている魚もいます。一方、ニシンのような見た目の魚は人気のようで大事に水揚げされています。この日の夜にこの魚の唐揚げを食べましたが泥臭さもなく美味しく食べられました。

  さあ漁が終われば次は料理の時間です。町の市場に運ばれた魚はご家庭で一斉にさばかれます。ぐずぐずしてはいられません。ネパール南部は亜熱帯ですが魚は日本の魚屋のように氷の上に並べられたりしませんし、冷蔵庫があるご家庭もまだ少ないのです。傷みやすい魚は早く油で揚げるかスパイスで煮込むかしなくてはなりません。
  この日はどこの飯屋を覗いてもメインは魚でした。大イベントの日の特別な料理感があって町の人達も楽しみにしているのではないでしょうか。

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