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バネ鋼

野良犬

2020年3月1日

  最近の日本では野良犬をほとんど見かけなくなりました。店長が子供の頃は少ないながらもまだその辺をうろついていました。公園に行けば「もらってください」と書かれた段ボール箱に入った子犬が本当にいたものです。運よく拾われれば飼い犬に、拾われなければ野良犬になります。そんな光景も21世紀に入ってからはとんと見かけていません。

  一方、ネパールでは事情が違います。現役で野良犬がいくらでもうろついており、その生息密度は店長が子供だった頃をはるかに上回ります。多分我々の父母が子供だった頃の日本がちょうどこんな感じだったのでしょう。

  野犬が増えると色々と不都合な事が起こります。まず第一に犬は人を噛みます。猫だって場合によっては人を噛みますが人は猫より圧倒的に体が大きいので普通は猫に噛まれることに脅威を感じたりしません。しかし犬となると中型犬ですら素手の人間の戦闘力を凌駕します。まして大型犬なら大量殺人も可能です、脅威なのです。更に悪い事に犬は猫と違い群れを作ります。犬の群れはたとえ人間が銃を持っていても強敵です。
  そして更に不都合な事に犬は噛むことによって狂犬病を人に伝染させることがあるのです。ちなみに猫も狂犬病に感染しますが猫が積極的に人を噛むことはそうそうありません。

  幸い野良犬の脅威を感じることは今の日本ではほぼありません。しかしネパールでは特に旅行者にとっては依然として恐ろしい相手です。夜間や人気が無い町はずれで野犬の群れに出会った時の恐ろしさと言ったらありません。
  地元の人は暗黙の協定でもあるのか単に慣れているせいなのかあまり襲われることはないようですが、よそ者である旅行者は野犬にとって自分たちのテリトリーを犯す侵入者であって容赦ありません。また奴らが狂犬病の予防注射など打っているはずもありません。

  日本ではこのような不都合を解消するため、ちょうど我々の父母が子供だった時代に施行されたのが狂犬病予防法です。これによって野犬は捕獲され殺処分されるようになり、飼い犬の予防注射も義務化されました。そのおかげで環境省の殺処分数の統計では45年前の年間109万頭から、最近ではおおむね1/100である1万頭前後にまで激減しました。  野良犬を見かけなくなるわけです。ちなみに猫も捕獲の対象ですが上記したように人間にとってあまり脅威ではないためか熱心に捕まえている様子もなく、現在でも野良猫は普通に見かけます。

  さすがは公衆衛生が行き届いた日本ですね。でも店長も野犬に噛まれたくはありませんが、人間に管理されていない自由な動物が人間と関われないというのはちょっと寂しい気もします。下のような光景が道端で普通に見られるとなんだか同じ世界に一緒に生きている感があって安心します。いや、噛まれたくはないですけどね。

野良犬
 
 

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