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バネ鋼

街中の怪物達

2017年11月1日
  ネパールのカトマンズ盆地内にある三つの都、カトマンズ・パタン・バクタプルは古い寺院や宗教施設が数多く残っている事からユネスコに世界文化遺産として登録されています。まあ京都のヒンドゥー教版だと思ってください。
  したがって町中が木彫りや彫金や石や鋳物でできた工芸品であふれているのですが、中でも特に目を引くのが怪物達です。

怪物

怪物

  上の写真を御覧下さい。上は青銅製の怪獣を象ったもので水場でよく見られます。その下は彫刻が施された木製の扉とその取っ手です。どちらも手が込んだリアルな出来映えではありませんか。京都にも鬼瓦や神像はありますがネパールではその密度が非常に高く、本当にどこにでも、まるでポスターや広告の看板のようにあるのです。

  怪物の中には精緻なものばかりではなく素朴なものやユーモラスなものもたくさんあります。下の写真を御覧下さい。上側はバクタプルの路傍に立つ石の柱です。
高さは子供の背丈ほどです。下側は川っぺりなどで見かける蛇神の像です。花で飾られてかわいいですね。

怪物

怪物

  こういう怪物たちを見ていて気が付いた事があります。それは日本古来の怪物達との類似性です。怪物たちの出所はかたやヒンドゥー神話、かたや神道や仏教であって互いに多少重なる部分はあっても大方はちがうはずなのに奇妙に似ているように見えて仕方ありません。

怪物

怪物

  上の二枚は室町時代に描かれた日本の百鬼夜行絵巻の一部です。下側の三つ目の鬼などは表情といい石の柱にそっくりです。

怪物

怪物

  こんどはヒンドゥー寺院の鐘の青銅の竜と江戸時代に描かれた暁斎百鬼画談にある雷雲の中の竜の図です。似ているでしょう?

怪物

怪物

  上側の写真はおそらく維持神ビシュヌのお供のガルーダだと思います。ガルーダは龍や蛇の天敵なので両足でナーガ(蛇の神様)をつかまえています。下側は絵巻の妖怪です。店長にはそっくりに見えます。

  更に下の写真などどうですか、これなどもう神と魔物のオンパレードで、百鬼夜行絵巻そのものです。

怪物

  このような怪物達に囲まれて日々を過ごしているネパール人は、怖い人達なのかと思いきゃ全くの逆で、非常に信心深く温和な人達です。きっと1000年前の京都に住む人達もこうだったのかもしれないと思わせてくれます。

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