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バネ鋼

本当の鶏の味

2016年6月7日
  ネパールでは首都カトマンズの本当の中心部を除いて、ごく普通に家でニワトリが飼われています。現代の日本の家庭でニワトリを飼っているのは一部の農家や周囲に家がない山奥以外では珍しいでしょう。
  なにしろニワトリはそこら中にフンをまきちらしますし、何より早朝にコケコッコーと強制的に朝を知らせてくれるため、住宅が密集した日本では近所中から迷惑がられてしまいます。
  一方ネパールでは皆さん基本早起きでニワトリとあまり変わらない時刻に起床して庭掃除など始めますので迷惑どころかむしろ目覚ましがわりになります。まして近所の家の多くがニワトリを飼っていれば誰からも文句を言われるはずがありません。
  そういう訳で住宅街の路上ではニワトリとヒヨコをあたりまえに見かけます。エサは毎朝与えられますが、それでは足りないので後はニワトリが自己解決します。つまり近所に散って草むらやら林やらで虫やミミズをつついたり捨てられたゴミを漁ったりするのです。

鶏

  そして賢いことに夕方ちゃんと家の鳥小屋に戻って来ます。毎朝のエサも家の食べ残しなので、ほとんどお金も手間もかからずに肉と玉子が手に入るとても便利な家畜なのです。これを飼わない手はありません。
  しかし、人が手間をかけないせいでニワトリたちの生存率はとても低く、カラスや野良犬の襲撃からのがれて成鳥になれるヒヨコはザックリ1/10くらいです。これも野生の掟なのです。あまりに生存率が低いため全滅することも多く、しかたなくヒヨコ屋からヒヨコを10羽20羽と買ってきたりもします。
  こうした難関をくぐり抜けたニワトリたちも結局最後は人間の口に入るわけですが、これが実に美味しいのです。日本のニワトリはブロイラーと呼ばれ、狭いカゴの中で育てられ生後2ヵ月足らずで出荷されるため肉はパサパサで味がありません。それに対して生存競争を勝ち抜いて1年以上生きたニワトリは肉は硬いですが滋味があり、圧力鍋で調理すれば極上のククラコカリー(鶏のカレー)になります。昔の日本で我々の祖父母が食べていたニワトリもこの味だったに違いありません。

鶏

  もっとも近年はネパールの肉屋でもブロイラーが売られるようになったため本当の味はネパールでも通常はレストランでは味わえず、肉屋に特別注文するか御家庭で潰してたまーに味わうものになっています。
  ちなみにブロイラーのニワトリの値段は1羽600~700ルピー(660~770円)、上記の御家庭で育てたニワトリはその倍、更に山の村で育ったものは3倍もする高級品です。

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